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人材育成

良品計画の人材育成法

シンプルなノート

大人気ブランドである無印良品

無印良品は、西友のプライベートブランドとして、1980年に誕生しました。
そこから1989年には良品計画として独立し、今のようにたくさんの店舗を構えるまでに成長を遂げていきます。

商品のシンプルさ、リーズナブルさ、かわいさといったところが注目をされていて多くの人が愛用している人気ブランドです。
そのため、お店への憧れをもってアルバイトや就職をして働きたいと考える人も少なくありません。

このような人気を集める店舗はやはり商品が魅力的なだけでなく働いている人も魅力的なものです。
そこで、ここでは良品計画ではどのような人材育成がされているのかということを紹介していきます。

人材育成の8割は異動で決まる

良品計画といえば多くの人が順調な企業と思いがちです。
しかし、実際には2000年には業績が急落し、そこからV字回復をしてきたという過去があります。
このように回復をした背景には人材育成の仕組みがあると考えられています。

良品計画では人材育成の一つとして、「MUJI GRAM」と「本部業務基準書」を使用しています。
MUJI GRAMというのは販売オペレーションマニュアルでその総ページ数は1780ページにも及びます。
これは業務の標準化を目指して作成されたものです。

小売業では店長の背中を見て従業員は育つと考えられています。
しかし、店長だけを見ていれば、その店長のやり方しか学ぶことができません。
そうすると店長のスタイルを模倣する従業員が増えていき、スキルも取り組み姿勢もばらばらとなり企業としてのコンセンサスが取れない状態になってしまいます。

そこでマニュアルを作成して店舗としての必要な知識やスキル、業務の進め方を統一化するためのMUJI GRAMが誕生しました。
今では新人社員の研修にも使われており、全店舗共通の指導マニュアルが出来上がっているのです。

もう一つの大きな取り組みが異動を経ての人材育成です。
企業の中には一つのセクションに一筋に進んでキャリアを積ませるという企業もあります。
しかし、これでは部分最適に過ぎず、全体最適を生み出すために良品計画では職種変更を必要とする異動を多く取り入れています。

いろいろな職種を経験させることによってそれぞれの部門の仕事の内容、大変さということを理解することができ、仕事の中で他部署を思いやる気持ちを芽生えさせることが狙いの一つです。
知見も広げることができ、なおかつ多くの人が思いやりながら仕事を進めることができれば全体最適な会社は自然と出来上がっていきます。
この視点を持つために、経営トップも積極的にこの取り組みにかかわっており、部分最適になりがちな部門のトップこそ全体最適の視点が持てるよう経営陣をも巻き込んで取り組みが進められています。